読谷村(5) セーラの丘

2008年3月26日(水)

セーラの丘

 
 ①読谷の地形は座喜味城趾の丘を頂点に、基盤名として名護層がある。名護層は変成岩からなる中生代白亜紀の地層である。新生代になり、その周辺に珊瑚礁は発達し次第に陸地化した。こうして、読谷飛行場の台地ができた。この台地の周辺の石灰岩の地層は50m程の厚さに達する。
 
 ②戦後、米軍に占領され、この読谷台地の石灰岩は軍用道路や米軍基地建設のために米軍によって、掘り出され大量に使用された。特に、県道6号線沿いは、至るところが大きなくぼ地になっている。
 
 セーラの丘③米軍によって、石灰岩が掘削される前は、琉球松やソテツが茂る見晴らしのよい丘であり、セーラの丘と呼ばれていた。厚い石灰岩は巨大な濾過装置であり、近海にわき出す水は石灰岩台地で濾過され清流そのものになり、濃い緑とあわせて、近海を生態系豊にしていた。都屋の海は、魚や生き物があふれ、自然豊かであった。
 
 ④米軍の後に、民間の業者が鉱業権を得て、コーラルは採掘された。採掘が限界に来ると巨大なくぼ地ができた。その後、このくぼ地は、産業廃棄物場として利用されてきた。現在、全県の43%の産業廃棄物が読谷に集中している。現在の産業廃棄物は安定型に限定されているが、最近、毒物を含む管理型廃棄物場が計画され、大きな問題となっている。